伝説のフランス弦楽四重奏団

おうちでも楽しもう!名曲喫茶

●レジェンダリー・フレンチ・ストリング・カルテッツ
【収録内容】

CD 01-06 カペー弦楽四重奏団 ※1927年録音
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op. 18-5
弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op. 59-1「ラズモフスキー第1番」
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調Op. 74「ハープ」
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op. 132

シューマン
弦楽四重奏曲第1番 イ短調 op. 41-1

シューベルト
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」

モーツァルト
弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 KV 465「不協和音」

ハイドン
弦楽四重奏曲第53番 ニ長調 op. 64-5 Hob. III: 63「ひばり」

フランク
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 M. 7*

ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調

ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10

CD 07-10 カルヴェ四重奏団
ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調

ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10

ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op. 18-1
弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op. 18-5
弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op. 59-2「ラズモフスキー第2番」
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131

シューベルト
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op. 125, D. 87
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」

CD 11-22 レーヴェングート弦楽四重奏団
ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調

ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10

ルーセル
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op. 45

ピエール・ヴァション(1738-1803)
弦楽四重奏曲 イ長調 Op. 11-1

ニコラス・ダレイラク (1753-1809)
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.7-3

ピエール・ヴァション(1738-1803)
弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op. 11-5

ニコラス・ダレイラク (1753-1809)
弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op. 7-5

モーツァルト
弦楽四重奏曲第14番 ト長調 KV 387
弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 KV 458「狩り」
弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 KV 428
弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 KV 465「不協和音」

ハイドン
弦楽四重奏曲第61番 ニ短調 Op. 76-2 Hob. III: 76「五度」
弦楽四重奏曲第59番 ト短調 Op. 74-3 Hob. III: 74「皇帝」
弦楽四重奏曲第 53番 ニ長調 Op. 64-5 Hob. III: 63「ひばり」*

イベール
弦楽四重奏曲

フランク
弦楽四重奏曲 ニ長調

ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第 7番 ヘ長調Op. 59-1「ラズモフスキー第1番」
弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op. 59-2「ラズモフスキー第2番」
弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 Op. 59-3「ラズモフスキー第3番」
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op. 74「ハープ」
弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 Op. 95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 Op. 127
大フーガ 変ロ長調 Op. 133
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op. 130
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op. 132
弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 Op. 135

シューベルト
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」
弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 (四重奏断章) D. 703

政府の外出自粛要請もあり、この週末も家でじっとしている筆者ですが、もともと引きこもり体質でもあり、おうちライフを満喫しております。

そしてこういう時こそ、クラシック音楽と大好きなコーヒーを楽しみたい!

素晴らしい品質の珈琲豆を知り合いの珈琲店主に焙煎してもらい、家でじっくりと粉挽き。ドリップポットの細い口から湯をこぼすと、粉がぶくぶくと膨らみ始めます。

濃縮された珈琲液がぽたぽたと滴り落ち、見事な色合いの珈琲が完成。

私は酸味のある中浅焼きの珈琲が好きなので、ブラックのまま。香りをひととおり楽しんだ後、じっくりと口に含みます。

新鮮ですっきりとした酸味に、どことなく甘みを感じる奥行き。あ~、何と幸せなことでしょう。

珈琲はエチオピア産で100グラム700円。5回くらいで消費しますから、1杯あたり140円ってところです。

さらに貪欲な私は以前買ったとっておきのCD-BOXを取り出します。

和訳で「伝説のフランス弦楽四重奏団」と銘打たれたセット。

往年のフランスの名弦楽四重奏団、カペー四重奏団、カルヴェ四重奏団、レーヴェングート四重奏団が戦前から戦後にかけて収録したレコードを集めたもの。オールドファンにはたまらないセットですね。

超大作にして20世紀文学の最高峰ともいわれる「失われた時を求めて」。その著者であるマルセル・プルーストが家に招き入れて演奏させたエピソードもあるカペー弦楽四重奏団は、戦前のわが国でも大変高い評価を受けたカルテットでした。

批評家・野村あらえびすは、「カペー四重奏団それ自身が芸術であり、それ自身が(音楽であり)生命であった。」とまで絶賛しています。確かに今日聴いても、貧しい音質の中から崇高な潔癖さ、霊感に満ちた音楽の呼吸感が伝わってきます。

特にフランスもの、フランク、ドビュッシー、ラヴェルは完全に自分たちの音楽として消化しており、テンポの緩急や思い入れたっぷりのフレージングなど、今となっては聴くことのできない情緒を感じます。しかし、ノスタルジックな演奏とは一線を画しており、非常に清潔感溢れる、ザッハリッヒとまでは言えなくもモダンな音楽に仕上がっています。

続くカルヴェ四重奏団は、1919年に結成されています。カペー四重奏団の解散(1928年)後、一気に人気が沸騰し、その後第2次世界大戦などの悲劇に見舞われながら、1950年まで活動しました。上記の動画をお聴き頂いてお分かりのとおり、節回しなどに大変ロマンティックな傾向が見られ、戦前のカルテットの印象を最も体現したメンバーと言って良いかもしれません。

例えばシューベルトの「死と乙女」。まるで冬空のような哀しみにみち、切なさで胸が締め付けられます。それでも崩した演奏ではなく、まじめにひたむきに楽譜に向かい合っている姿勢が素晴らしい。

最後のレーヴェングート四重奏団は、1929年結成で1983年まで活躍しました。すなわち、活動期間がSP時代からLP時代まで長きにわたっているので、年配の室内楽ファンに愛好家の方が多いと聞いています。

このカルテットは前2者と多少違います。第1ヴァイオリンの線はやや細く、テクニックも近代的な精確さを備えています。それでいて何でしょう、聴いていてアットホームな安心感というか、音楽が温かみに満ちているんですね。こういうところが特に我が国で親しまれている理由かもしれません。

ハイドンの「ひばり」。これはウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のあの人懐っこい名盤と肩を並べる素晴らしい演奏でしょう。こういう古き良き時代のアンサンブルの妙というか、優しさに満ちた演奏には心から癒されますね。本当に音楽って素晴らしい!という言葉が沸き上がってきます。

淹れ立ての珈琲と読みかけの小説を片手に、春雨の音とスピーカーから流れ出る20世紀前半のカルテットが奏でる贅沢な響きにゆっくりと身を浸す。外に出ずとも、こういう日曜日の過ごし方もあったなあ、と認識した次第です。

 

 

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